なぜ水の力が発電出力に変わるの?

水力発電では、水が高いところから低いところへ落ちる重力のエネルギーを利用して水車を回転させ、発電を行います。ここからは基本の考え方を公式で説明します。
簡単に言うと…


- 流量(ℓ/秒)…流れる水の量。1秒間に何リットル流れるかを表す
- 落差(m)…ヘッドタンクからJet水車までの高さ
- 重力加速度 …9.8(一定)
- 効率 … 発電設備の効率( 35%程度 )
落差とは?



Jet水車発電は、少ない【流量】の2L以上から発電は可能なので、【落差】がどれくらいとれるかが重要になってきます。
発電には、【落差】が5m以上必要です!


落差とは取水地点(ヘッドタンクを設置する場所)から発電地点(Jet水車を設置する場所)までの高さです。


①【流量】が多いけど【落差】が少ない場所だと…


②【流量】が少ないけど【落差】が大きい場所だと…





たとえ、【流量】が少ない水路でも②のように【落差】が大きい場所だと、Jet水車発電ができる可能性があるね!
取水地点(ヘッドタンク)はどこに決める?



水量と落差がある水路を見つけても、そこが発電に向いているかは、場所によって違います。どこから水をとってどこで発電するかを考えながら、一緒に場所確認のポイントを見てみよう!
ポイント1 ヘッドタンクの固定ができるか?







水路には段差がある水路とない水路があります。
段差がない水路には、水を堰上げるために水路の幅ピッタリに作ったヘッドタンクを水路の中に設置します。
ポイント2 堰上げの影響がないか?





水路の水が堰上がると、上流の水があふれる心配があります。
ヘッドタンク設置地点の上流も確認しましょう!
ヘッドタンクは手作りすることもできます。


発電地点(Jet水車)はどこに決める?
ポイント1 安全に排水できる場所か?





Jet水車の設置場所は、安全に水を排水できる場所にしましょう!
ポイント2 数か所の候補地から設置場所を決定するには?
Jet水車発電は落差が大きいところがベストですが、距離が離れすぎると、
使用する水圧管(ホース)が長くなり、その分コストがかかってきます。







最終的には、コストや損失(水圧管の中の抵抗)のことも考えながら、
出したい発電出力に合うように、取水地点からヘッドタンクまでの高さや距離を決めましょう!